宮古島旅行の記録・三日目前半
日常のなんでもない記録は
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三日目前半
 1,夜空
 4,友利
 2,入り江  5,皆福地下ダム
 3,うえのドイツ村  6,東平安奈崎

1,夜空

午前3時半に起床して、東平安奈崎まで20km強の道のりを自転車で駆け抜け、御来光を拝もうという計画は無謀でした。自転車のライトは3m程先をほのかに照らし出しはしましたが、 都会では体験出来ない、真っ暗闇で不案内な道を安全に走行できるまでには程遠く、たちまちサトウキビ畑に突っ込みそうになりました。
僕は己の浅墓を呪いましたが、月の無い夜空を見上げるとまさに満天の星。 早起きは三文の徳。にわか天体写真家を気取る事にして宿の屋上に出ました。  天の川がはっきりと見えました。 星図盤も方位磁石も、天体に関する知識も無い僕は三脚に据えたカメラのシャッター速度を「balb」に設定してレリーズからシャッターを切り、寝っ転がって星空を眺めました。 流星や人工衛星も良く見えました。貴重な思い出と訳のわからない天体写真が残りました。

2,入り江

結局、ゆっくりと朝食を摂った後、午前8時前に東を目指して出発しました。相変わらずの晴天、強烈な陽射。御来光を諦めたので、全く急ぐ旅ではありません。 今日ものんびりプラプラと行きます。ゴルフ場の脇らしき道を行き、方角を確認しつつ進んでいると大きな入り江に出ました。 この辺りは多くの野鳥が観察できるようです。
入り江に架かる橋なので入り江橋です。どうして人頭税石がレリーフになっているのかはわかりません。 思うに、特に入り江の辺りで橋のレリーフにすべき地理的、歴史的特徴も思い当たらなかったのでしょう。 橋の近辺にはヒマワリ畑があったりして実に長閑な田舎ですが、橋はピカピカでちょっと浮いた感もありました。
まだ午前8時を少し廻ったぐらいでしたが、ペットボトルのスポーツドリンクを飲むと、たちまち汗となって吹き出ました。

3,うえのドイツ文化村

宮古島の道は微妙な角度で二股に分かれていたり、蛇行していたりするので、頻繁に方角を確認しないとすぐに道に迷います。 直線の道が長く延びると、道沿いに強風が吹き抜けて危険であることから、沖縄地方の道は意図的に曲がりくねらせてあると聞きました。 そんな道をなんとか『うえのドイツ文化村』までやって来ました。
明治6年の7月、嵐で漂流した後この地の沖合い900mに座礁したドイツ商船ロベルトソン号を遠見番の役人が発見。 翌日荒波の中くり舟2艘を出して生存者全員を救助。 後34日間に渡って、医療行為と当時貴重な米,魚,鳥肉を含んだ食事を一日三回提供し、 ジャンク船も提供して帰国の手助けをしたそうです。 ロベルトソン号の船長が帰国後公表した漂流記が反響を呼び、 3年後にドイツ皇帝から宮古島に記念碑が贈られたのが縁となり、救助した浜がうえのドイツ文化村になっているというお話です。

4,友利

更に東を目指して進んでいると、『豊土水魂碑』と刻まれた真新しい石碑を見つけました。この辺りは城辺町字友利と呼ばれている地区で、 1978年度から84年度にかけて、国の助成が入っての大規模農地整備が行われたそうです。 総工事費用は15億910万円で地元の負担は1億7千万円。 去年、ようやくその費用を完済した記念に建立されたとのことです。

5,皆福地下ダム

皆福地下ダム公園に来ました。 宮古島は川が無いことから農業用水は雨に依存していたそうです。このため、干ばつが襲うとたちまち農業は破綻し大損害をもたらしていたようです。 地下ダムは雨水が海へ流出するのを地下で堰き止める構造で、地上からはその全容を観ることは出来ません。

6,東平安奈崎

とうとう、東平安奈崎(あがりへんなざき)に到着しました。まずは岬を一望できる絶景スポットに向かいます。岬の入り口に向かって左手に坂があります。 この坂を上って行くと、旅行パンフレットとかで必ず使われるという撮影ポイントがあります。坂を上って右手。ここは外せない絶景スポットです。
去年(2006年)は台風4号が去った直後、僅かな時間にタクシーで訪れました。 その時は視界があまり効かなかったのですが、それでも迫力のある光景に圧倒されたものです。 それが今回は夏らしい好天に恵まれて素晴らしい景色。 海の青と空の青に塗り分けられた水平線に、緑の岬が突き出て行く様は圧巻。 足元には漁港が見えますが、その海の色がまた不思議。岬の突端には白い灯台が小さく見えます。 遥かに湧き上がる白い雲は夏そのものでした。
岬は途中から自動車の乗り入れが出来なくなっていました。その代わり人力車が岬を一周しているようです。 僕は自転車なのでこの辺は便利です。岬をトロトロと行き、途中の東屋で休んだりしながら灯台近くまでやって来ました。 ここの灯台はたしか500円ぐらいで上まで上ることが出来ます。 灯台の周りをゆっくり廻りながら何度も眼下の海を覗き込みました。 逆巻くようにして打寄せては砕ける波は、シーサーのたてがみのデザインにダブって見えました。