「ふうらん」といいます。かの書家榊莫山先生は、その著「フウラン」のなかで、「フウラン。漢字なら風蘭とかく。野をこえ山をめぐっても、見かけることのめったにない植物である。この小さな多年草の草本は、山野の高い樹上に着生して、ほとんど人の目のとどかぬ処を棲み家ととしているのである。梢をわたってそよぐ風と、葉陰にもれるわずかな陽の光さえあれば、フウランはご満悦らしい。空中に根をのばし、梅雨あけのころから白い花を咲かせ、甘い香りを放つけれども、なにせ高い樹上での話。それも、葉のたけ10cmにも足りない小さな植物だから、人目につくことも少ないわけだ」。そして「フウランを樹上からの使者だ、と思っていたわり育てている」と表現し、紹介されています。 |
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花の色、形は普通の風蘭と同じ、ただし葉には縞模様が入る。河内国で発見されたといわれる。 |
八重咲きの名花、風蘭の花とは思えないほどの変わり咲きである。高知県で発見されたといわれる。 |
野生種ではなく、交配によって作出された紅色の風蘭である。交配種のため、花色は一定ではない。 |